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映画『セールスマン』@神戸シネリーブル [映画]

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『セールスマン』は、アスガル・ファルハーディー監督・脚本による2016年のイラン・フランスドラマ映画英語版)である。第69回カンヌ国際映画祭で男優賞・脚本賞を獲得し、更に第89回アカデミー賞では外国語映画賞を獲得した映画ということで興味を持っていた。また、トランプ大統領がイスラム圏7カ国の人々にアメリカへの入国制限を敷いたことに対する抗議としてアカデミー授賞式をボイコットしたということでも話題になっていた。もちろん、主演のタラネ・アリシュスティが超美しいと評判だったのもあったけど(笑)。
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6月に三宮のミント神戸でやっていたので、行こうと思っているうちに終了してしまっていた。シネリーブル梅田でやっていたので、神戸にもそのうち来るだろうと思っていたら、案の定来たので行ってみた。

物語の主人公の夫婦は小さな劇団に所属し、アーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」の舞台に出演中である。ずさんな建築工事のため住んでいたアパートが壊れ、急遽引っ越すのだが、そのアパートで夫の不在中に妻が何者かに襲われ、ひどい怪我を負う。妻は心の傷を負い、ひどく怖れるが、その一方で事件を表ざたにすることも嫌がって警察に通報することも拒否する。夫はそんな妻を気遣いながらも、犯人を探し出すのを嫌がったり、昼は独りになるのを怖がり、夜は一緒の部屋で休むのを嫌がる妻の態度に苛立ちを募らせていく…。
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イランの映画ということで、イスラム的な何かが描かれているのかな、と思って観ていたが、そういうことはほとんど感じられなかった。一つあるとすれば何者かに襲われたという設定なのに、その場面は露骨に描写されることなく進行していったことぐらいだろうか。それは現代イラン映画の検閲の限界ギリギリということでもあるだろうが、そのことによって却ってドラマのサスペンス性をより強める効果もあるように感じられた。急速な都市の近代化の歪みや、事件の起こった背景、事件の後の夫婦の感情のずれ、誰(何)が正しく誰(何)が間違っているのか、観客は自分の頭の中で問いかけに応えようとしていく。
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主演のお二人をはじめ、役者さんたちの達者な演技のおかげで、私も登場人物の全てに疑いの目を持ち、共感もし、引き込まれていったのは、この映画のすごさなのかなと思われた。標題の「ザ・セールスマン」及び主人公達が演じている「セールスマンの死」との重ねあいの部分については正直よく分からなかった。演劇で取り上げられている「競争社会の問題、親子の断絶、家庭の崩壊、若者の挫折感など、第二次世界大戦後に顕著になりだしたアメリカ社会」(wiki)の問題が、現代のイランでも起こっているということを暗示しているのだろうか。事件を乗り越えたかに見える夫婦が、再び劇中の老夫婦のメイクをする最後の場面が、我々に何かを問いかけていることだけは確かなようだ。
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