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映画『最愛の子』@神戸シネリーブル [映画]

映画『最愛の子』(原題:親愛的Dearest)
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今日は「映画の日」だからというのではないが、珍しく家人が見ようと思っているという映画に付き合った。中国映画はずいぶん前に(2000年ごろ)『山の郵便配達』を観て以来かもしれない。

中国で実際に起きた誘拐事件を基に、ピーター・チャン監督(名のある方らしい)が製作した作品で、
中国・香港合作となっているが、当局も最初話を持ちかけたときは難色を示したらしく、最終的に検閲は通り、海外製作にならなかったらしい。この映画で描かれた諸問題が、もはや当局の隠蔽によってなどではどうにもならないほど大きな社会問題になってしまっていたからかもしれない。映画が大ヒットしたこともあってか、その後幼児誘拐やその売買に関する刑法の改正をもたらしたそうで、映画が持つ影響力のすごさを示している。

主な登場人物
ティエン:父(ホアン・ボー)
ジュアン:母(ハオ・レイ)
ポンポン:息子
ホンチン:育ての母(ビッキー・チャオ)
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2009年7月18日、中国の大都市深センで誘拐事件が起こる。ティエンとジュアンは離婚していて、週一度ジュアンは息子ポンポンと会うことができる。その日面会が終わり、ジュアンが帰っていった後、ポンポンは何者かに連れ去られる。その直後から父は必死で息子を探すが、警察の協力がなく見つけられなかった。その後も経営していた店を追い出されたりしながら、ネットで懸賞を出したりして探すが見つからない。お金目当てのガセネタに振り回されたり、子を誘拐された人たちの会に入会したりするのだが…。
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中国では1979年より「一人っ子政策」を実施し、爆発的な人口増加を抑えようとしたが、そのことが様々な社会問題を生み出した。一人しか子をもてないので、男児だけが大事にされ女児は里子に出されたりする。貧しい農村部と富裕な都市部との格差、子が出来ないためよその子を買おうとする中で人身売買・幼児誘拐などの事件が頻発するようになった。その数は私たちの想像をはるかに超えるものだったようだ。映画の中でも子を誘拐されて6年も経つ中で、死亡証明書が出せないため新たに子を生むことができないなど、様々な場面でこの制度の持つ矛盾が露呈する。
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映画に戻ると、失踪して3年後、ようやく息子が安徽省の農村にいるらしいとわかって取り返しに行くが、やっと見つけた息子は実の両親のことは覚えていず、育ての親のホンチンの愛情を受けて暮らしていた。ホンチンは「私が子どもが産めないから、夫がよその女に産ませて3年前に連れてきた」と言った(これについては最後に新たなことがわかる…)。法律上は実の親の元に返されるべきなのだが、実の親の愛も育ての親の愛もどちらも真実の愛である。原題の " Dearest " という言葉が様々な色合いを帯びて観ている私たちに迫ってくる気がした。

血のつながりだけが家族というもののあり方なのか、という問いかけは先日書いた『富士ファミリー』でもされていたし、観てはいないが福山雅治が出ていた『そして父になる』もそれがテーマになっていた。最近考えさせられることが多いが、この作品でも底の方に流れているような気がする。
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映画のオフィシャル・サイトではホンチン役のビッキー・チャオが主役扱いで紹介されていて、実母ジュアン役のハオ・レイが載ってなかったのがやや気になった。製作側では誘拐犯の妻を決して悪人として描くのではなく、制度が生み出した悲劇の犠牲者の一人であるということを主張したかったのだろうか。どこか高畑充希似のハオ・レイも主役扱いにしてくれてもよかったなあ、と思ったことだよww
二人ともきれいな女優さんである。
ビッキー・チャオ
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ハオ・レイ
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でもビッキー・チャオの方はこのように美しい女優さんなのに、全てノーメイクで体当たり演技をしたと書かれてあったので、やはり主役であることに異論はないさぁ。

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